脳波計などを用いた検証で、温泉浴が深い睡眠につながることが分かったと、秋田大などの研究グループが発表した。
深部体温が上昇し、その後下降すると眠気をもたらすため、入浴後は深く眠れることが知られているが、温泉と睡眠の関係は明らかではなかった。
研究グループは、健康な男性(平均年齢21歳)8人を対象に、温泉浴(塩化物泉、人工炭酸泉)、普通浴、入浴なしの4条件で睡眠効果を検証。いずれかの条件をランダムに4回割り当て、入浴する場合は40度の湯船に午後10時から15分間入り、午前0時~同7時までの就寝中の脳波と体温を計測し、入浴前後と起床時の疲労感なども調べた。
その結果、入浴後の深部体温の上昇は塩化物泉に入った人が最も高く、その後顕著に低下していた。睡眠の質の高さを示す脳波量は、人工炭酸泉が最高値で、塩化物泉が続いた。
一方、入浴後の疲労感は塩化物泉が最も強く、研究グループは「虚弱な高齢者には人工炭酸泉が最適」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)