白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は7月31日、白老町高砂町2の白老生活館建設予定地で、チセコテノミ(地鎮祭)を行った。同協会の新井田幹夫さんが祭司を務め、大塩英男町長ら来賓を含む約50人が無事完成への祈りをささげた。
冒頭、協会の若手がタクサ(ササの葉)の束で地面をたたき、敷地を清めるフッサカラを実施。続いて敷地を測量するエパカリを行った。その後、建設予定地の中心となる場所にケトゥンニ(三脚)を立て、その下にいろりを仮設。火をたいて始まった本祭ではシラリエカムイノミ(酒粕による祈り)などの拝礼を厳かに執り行い、作業の安全を祈願した。
山丸理事長は「儀式の途中で小雨が降ったが、これはカムイのうれし涙。前向きな気持ちで館の完成を迎えたい」とあいさつ。大塩町長は「多機能型の生活館として、地域の町民が利用するだけでなく文化伝承の拠点として無事誕生することを願う」と語った。
町が建設する新生活館は木造平屋建て、延べ床面積約480平方メートル。1962年開館の初代、79年改築の2代目を経て3代目に当たる。大小ホールに儀礼室などを設け、アイヌ文化伝承の拠点として活用されるほか町内会活動への利用も期待されている。外構工事を除く総工費は2億7745万円。岩崎・鈴木ホーム・鈴木建設特定建設工事共同企業体(JV)が今月上旬にも着工する。