内臓脂肪量の多さが新型コロナ重症化と関連することが分かったと、東京医科歯科大などの研究グループが発表した。
研究グループは、新型コロナで入院した患者250人を対象に、内臓脂肪量、皮下脂肪量、体格指数(BMI)と新型コロナ重症度などとの関連を検討。その結果、内臓脂肪量が多い人の重症化が見られ、生存率も低かった。
また、内臓脂肪が多い肥満マウスを新型コロナに感染させ検証したところ、感染後早期に全マウスが死んだ。マウスの肺からはウイルスが検出され、炎症反応も増強していたため、サイトカインストーム(免疫暴走)が生じたことが示唆された。一方、肥満マウスにコロナ治療薬を投与したり、マウスの肥満を解消させたりすると、生存率は改善した。研究グループは「内臓脂肪の蓄積が炎症反応を強め、コロナ重症化につながった可能性がある」と考察している。
(メディカルトリビューン=時事)