札幌市中央区のホテルで頭部を切断された男性の遺体が見つかった事件で、死体損壊などの疑いで逮捕された田村瑠奈容疑者（29）が事件前、男性との間でトラブルを抱えていたとみられることが26日、捜査関係者への取材で分かった。

　同容疑者の父親で医師の修容疑者（59）もトラブルを把握していたとみられ、道警は事件の動機につながった可能性もあるとみて慎重に調べを進めている。

　また、修容疑者が瑠奈容疑者をホテル近くまで送迎する際、自分の車を使用した疑いがあることも分かった。道警は既に車を押収しており、事件前後の足取りを捜査している。

　事件は1日深夜～2日未明に発生。瑠奈容疑者はホテル客室内で刃物のようなものを使って男性会社員（62）の首を切断し、頭部を持ち去ったとみられ、修容疑者は瑠奈容疑者を車で送迎した疑いがある。頭部は札幌市内の両容疑者の自宅で保管され、母親の浩子容疑者（60）もそのことを認識していたとして死体遺棄容疑などで逮捕された。

　男性の遺体は2日午後、室内の浴室に裸で倒れた状態で従業員に発見された。死因は出血性ショックだった。 　捜査関係者によると、瑠奈、修両容疑者は事件前、2人で札幌市内の小売店でのこぎりとスーツケースを購入していた。いずれも事件で使用されたとみられ、両容疑者が入念に準備した疑いが出ている。