2018年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真町を22日に訪問された秋篠宮ご夫妻は、土砂崩れで19人が犠牲になった吉野地区を視察したほか、安平、むかわ両町を含む3町の復興に向かう様子の説明を受けられた。
同地区の土砂崩れが起きた現場を訪れた秋篠宮さまは「土砂は道路までいったのですか」などと当時の状況を確認し、手を合わせられた。その後、町総合ケアセンターゆくりでは、厚真町の富里浄水場や安平町の旧早来中学校、むかわ町のまちなか商店街や高校生徒寮など、当時の主だった被災現場や復興に向かう取り組みについて説明を受けられ、「(復興に向けて)頑張ってください」と3町長を激励された。3町長も「これからも復興に向けて全力を尽くしてまいります」と思いを新たにした。
3町主催の植樹会では、アカエゾマツなどの木を植え、森林再生を願われたほか、小中学生に「夏休みはいつから」「学校は楽しい」などと声をお掛けになり、優しいまなざしを向ける姿が見られた。激励を受けた安平町の義務教育学校「早来学園」9年(中学3年相当)の前田すみれさんは「とても笑顔で接してくださったので緊張がほぐれ、楽しく植樹できた」と振り返り、むかわ町の鵡川中学校3年の梅津絢さんは「貴重な体験だった。被災した気持ちを分かってくださってうれしかった」と話した。上厚真小学校6年の三浦菜さんは「植えた木が多くの人に伝わってほしい」と願いを込めた。
厚真町の宮坂尚市朗町長は「被災地に対する思いを深めていただいて、私たちにとっても大きな一日になった」と感謝した。