視力の低下が進む。新聞を読むときやテレビを見るときに眼鏡が必需品になってから、30年以上になる。20歳を過ぎても視力2・0を誇っていたのがうそのようだ。近くの物には焦点が合わず、遠くの物はぼやけたまま。眼鏡を新調してもほんの数年でまた見えにくくなってしまう。目に良くないのは分かっていても液晶画面の小さな字を見るのが仕事だ。
最近、テレビを見ていて思うのは、画面の文字情報の増加だ。より詳しい情報を―という狙いはありがたいが文字が読めない。大雨などの災害時にはパソコンの検索画面も映される。しかしテレビ画面を拡大もできず、地名や川の名前の確認を諦めることが多い。被災地の人たちも、困っているかもしれない。プロ野球中継でも、局によっては常時映しておく必要があるとは思えない情報が数字や記号で画面のあちこちに置かれている。6が5や8に見えたり、もっと小さな文字は白や黒のぼんやりとした固まりだ。
大きな画面の高精細のテレビなら問題は解決するのか。眼鏡を買い替えた方がいいのか。高齢だから近所の電気屋さんから買った方が何かと便利―そんな助言も聞こえる。自分より、もっと視力の劣る家人と豪雨被害の様子を見ながら話すのだが、結論はなかなか見えない。(水)