回転ずし大手「くら寿司」の店舗内でしょうゆ差しの注ぎ口に口を付けるような動画を撮影し、SNSに投稿したとして、威力業務妨害罪などに問われた兵庫県尼崎市の塗装業吉野凌雅被告(21)の初公判が20日、名古屋地裁(大村陽一裁判長)であり、同被告は起訴内容を認めた。
吉野被告は黒のスーツにネクタイ姿で、大村裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると「何もないです」と答えた。
検察側は冒頭陳述で、「被告は直接なめなければ大丈夫だろうと考えた」と指摘。店側にしょうゆ差し計97個の中身を廃棄させたほか、備品の消毒などで少なくとも約57万円の人件費を負担させたと非難した。
起訴状によると、吉野被告は2月3日、19歳だった男=保護観察処分=と共謀し、くら寿司名古屋栄店(名古屋市中区)で2回にわたり、卓上に置かれたしょうゆ差しの注ぎ口に直接口を付けて飲んだような動作をし、その様子をスマートフォンで撮影。ツイッターに投稿し、運営会社にクレーム対応などをさせたとされる。
吉野被告は昨年12~今年3月、15歳だった少女を東京都内から名古屋市に連れ出したなどとして営利誘拐罪にも問われ、同被告は起訴内容を認めた。
吉野被告は公判前、記者団の取材に「たくさんの方に迷惑をかけた」などと話した。