患者の療養生活の支えになる闘病記などの本を、インターネットで容易に検索できるシステムの運用を開始したと、奈良先端科学技術大学院大の研究者らが発表した。
病気の個人的な体験記はさまざまな表現で執筆されるため、書名や病名から検索する一般的な手順では、治療の状況、薬の副作用、家族や職場に関することなど、療養生活全般に関する本を探すのは難しい。
研究者らは、利用者が読みたい内容の本を的確に検索できるように工夫したシステム「病の体験記サーチ」(https://yamai―taikenki.naist.jp)を開発。執筆者本人の生活状況など背景情報や、治療の経過、結果などの項目からも検索できるようにした。また利用者の「心に残った1冊」アンケートを定期的に実施し、紹介する本に順次加える。
研究グループは「今後、利用者が目的の本を探す行動の分析と、その行動の支援を両立させるシステムを構築したい」としている。
(メディカルトリビューン=時事)