加齢により聴力の低下した高齢者が孤独を感じていると、新たに要介護状態になるリスクが高まることが分かった、と国立長寿医療研究センターなどの研究グループが発表した。
これまでの研究では、高齢者の孤独と要介護の発生との関連や、聴力低下とフレイル(心身の虚弱状態)などとの関連性は報告されているが、加齢に伴う聴力低下が、孤独感や要介護状態の新規発生に及ぼす影響については明らかではない。
研究グループは、愛知県東海市在住の65歳以上の高齢者4739人を聴力低下の有無で分け、孤独感と要介護状態の新規発生との関連を検討。孤独感は質問への回答を点数化して測る尺度を用いた。
要介護状態になる割合は、聴力低下のないグループが4.5%であったのに対し、聴力低下のあったグループ(947人)では8.3%と顕著に高かった。また、2年間の追跡調査では、聴力低下があるグループで孤独感がある人は、孤独を感じていない人に比べ、要介護の新規発生者数が有意に多かった。
(メディカルトリビューン=時事)