白老町陣屋町の仙台藩白老元陣屋資料館は15日から、特別展「幕末と明治維新を生きた北の防人」を開催する。史跡「仙台藩白老元陣屋」が昨年10月に北海道遺産に選定されたことを記念した展示で、全国の博物館などに点在する同陣屋の絵図面26点を一堂に集める。8月13日まで。
絵図面は、描かれた時期や背景、目的、作者の違いにより技法や記載内容が異なる。それぞれの比較を通して同陣屋が果たした役割を検証するとともに、幕末の蝦夷地に陣屋を築き、北方警備の重責を担った仙台藩士に対する理解を深めてもらう。
初日の15日は午後1時半から、仙台市の郷土史家、佐藤宏一氏による展示解説講演会「柵木(さくぼく)不在説の素性」を予定している。元陣屋地所をぐるりと囲み、陣構えを成していたとされる「柵木」について語る。
また16、17、30日と8月6日の各日午前11時からは、武永真館長によるギャラリートークも行う。同11日は午前10時から午後2時まで、陣屋の日イベントを開催する。武永館長は「白老の陣屋の絵図がこんなに集まったのは初めて。藩士たちがどのような覚悟で陣屋を築き、警備したかに思いをはせて」と話している。
同陣屋は1856年、ロシアの南下政策を警戒した幕府が仙台藩に北方警備を命じて築かせた防衛拠点。元陣屋跡は1966年に国指定史跡となり、81年には仙台市と歴史都市提携を締結。2022年に北海道遺産となった。
時間は午前9時半~午後4時半。入館料は高校生以上300円、小中学生150円、白老町民は無料。月曜休館だが祝日の場合は翌日休む。問い合わせは同資料館 電話0144(85)2666。