家庭用の花火でやけどを負い、治療を受けた人の約6割が1~3歳だったとして、国民生活センターが注意を呼び掛けている。光に強い関心を持つ幼児は、興味本位で火を触る傾向があるとされ、担当者は「3歳以下には花火を持たせず、離れた所から見せて楽しんで」としている。
同センターは、2018~22年度に全国の医療機関から提供された花火でやけどを負った事故60件の情報を分析。1~6歳児が82%(49件)を占め、1~3歳児が57%(34件)に上った。
やけどをした1~3歳児のうち、41%が花火を直接触ったり握ったりしていた。手持ち花火の火をつかもうとした1歳6カ月の女児は、左の手のひらと指をやけどした。担当者は「幼い子どもは光る物や興味があるものに手を伸ばす特徴があるからでは」と話す。
火が消えた花火を触って負傷するケースもあり、2歳10カ月の男児は先端を握って指に水ぶくれができた。火が消えてから、やけどの危険がある70℃を下回るまでに1分程度かかる花火もあり、燃えかすが原因の事故は全体の2割だった。
同センターの担当者は「幼児に危険性を理解させるのは難しい」と話す。露出の多い服を避け、火の粉がかかりやすい風下に立たないようにした上で、「特に3歳以下の子どもの保護者は、花火に近づかないよう注意を払ってほしい」と訴えている。