2018年9月の胆振東部地震で被災した厚真、安平、むかわの3町と北海道文教大学(渡部俊弘学長)は10日、恵庭市の同大で包括連携協定を締結した。同大は人材育成や教育・研究、町民の健康増進、地域の活性化などの分野で地域の復興に協力する。被災3町がまとまって大学と同協定を結ぶのは初めて。
同大特別学長補佐の木村俊昭人間科学部教授(当時は東京農業大学教授)が震災直後に3町で復旧・復興を支援したことや、木村教授が会長を務める日本地域創生学会が今年2月に厚真町で開催した「ひと育て・まち育てシンポジウム」に渡部学長が出席し、申し入れをしたことがきっかけで実現した。
日高町(旧門別町)出身の渡部学長は来春開設予定の地域未来学科に触れ「協定は人の縁やつながりを感じる。連携は意義深く、学生には地域に入って活躍してもらう」と熱く語った。
宮坂尚市朗厚真町長は「復興には人材力が必要と痛感した」と話し、地域創生には若い世代の視点が必要と強調。「まちづくりは人づくり。地域の未来をしっかり描き、コミュニティーを再生し、支え合う社会を再構築したい」と期待を述べた。
竹中喜之むかわ町長も「復興はまだ道半ば。将来行き来できる関係人口をしっかりつくりたい。地域資源を活用して未来志向型のまちづくりを進める」と語り、文教大生には地元の小中高校生が取り組む探求学習で一緒に地域課題を解決してほしいと訴えた。
及川秀一郎安平町長は「教育を柱にまちづくりを進めている。追分高校は文教大学の通学圏。スポーツ、食、健康など町の特色を学生のフィールドワークに生かし、地域の課題解決につないでいってほしい」と述べた。