糖尿病患者は血糖値が高い状態が続くため、網膜症などの合併症リスクが高いにもかかわらず、眼科受診率は50%にも満たないことが分かったと、国立国際医療研究センター研究所などの研究グループが発表した。
日本では糖尿病患者に対し、網膜症診断に必要な眼底検査を年1回行うことを推奨しているが、受診率の低さが課題となっている。研究グループは、医療データベースから糖尿病患者441万人を抽出し、2017年度の眼科受診と眼底検査の実施率を分析した。
その結果、眼科を受診した糖尿病患者は47・4%と半数にも満たなかった。ただし、そのうち眼底検査は96・9%と高い割合で実施していた。現在、糖尿病患者の多くは、内科医から眼科を受診するよう勧められて眼底検査を受けているため、研究グループは「眼科受診率の改善に向け、内科と眼科の連携強化が重要」としている。
(メディカルトリビューン=時事)