動脈硬化症の主な原因は、悪玉コレステロールの増加ではなく善玉コレステロールの減少である可能性が示されたと、秋田県立大などの研究グループが発表した。
アテローム(脂質や繊維質など)の蓄積は動脈硬化症の原因の一つとされるが、アテロームの形成には特に「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールの増加が関与すると言われている。しかし、大規模疫学調査でもその実態は明らかにされておらず、研究グループは2018年に秋田県立循環器・脳脊髄センターに救急搬送された189人の血液を分析した。
その結果、健康な人に比べ、救急搬送患者は善玉コレステロールの一つ「HDL1」が少なかった一方、脂質とタンパク質の複合体であるリポタンパク質の一つ「LAC1」が多いことなどが分かった。
研究グループは「悪玉と考えられてきたLDLコレステロールにはほとんど危険性はなかった」との見解を示している。
(メディカルトリビューン=時事)