旅行大手の近畿日本ツーリストによる新型コロナウイルスのワクチン接種関連業務を巡る詐欺事件で、大阪府東大阪市から新たに約3億円をだまし取ったとして、府警などは5日、詐欺容疑で、関西法人MICE支店(大阪市浪速区)元支店長森口裕容疑者(54)ら3人を再逮捕した。
他に再逮捕されたのは、同支店の元グループリーダー臼杵賢一(58)と元営業課長太田幹雄(34)両容疑者。府警は3人の認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は昨年5~10月、東大阪市から受託したワクチン接種に関するコールセンター業務で、オペレーターの人数を水増しして同市に約7200万円を過大に請求し、業務委託費約3億500万円を詐取した疑い。
親会社のKNT―CTホールディングスは今年6月、受託事業での過大請求の疑いが全国の自治体で計約14億7000万円に上ると発表。府警などは同月、関西法人MICE支店などを家宅捜索し、東大阪市から約5億8900万円を詐取したとして森口容疑者らを逮捕した。大阪地検は5日、詐欺罪で3人を起訴した。
近畿日本ツーリストの高浦雅彦社長は5月、過大請求の原因について、「営業目標を達成したいとの思いが強く働いていた」などと釈明。一方で「不正な方法で営業成績を上げることはあってはならない」と述べ、組織ぐるみの関与を否定した。