安平町の追分中学校(渡辺知峰校長)の3年生は4日、総合的な学習の一環で「地域の未来について考えよう」と題した授業を行った。講師を務める町政策推進課の笹山陽平さんから地域の現状と課題、まちづくりや課題解決に向けた取り組みなどを学んだ。
笹山さんは軽種馬や菜の花、保存している蒸気機関車(SL)など、地域に豊富な観光資源があることを魅力として紹介。一方で町の人口減少が著しく、現在の約7300人が30年後には推計で5000人以下になってしまうことを課題として指摘した。
町は現在、子育て世代をターゲットに子どもに優しいまちづくりの実践や魅力ある子ども園、小中一貫の義務教育学校「早来学園」の開校、道の駅を中心とした回遊交流、起業家カレッジなど、さまざまな取り組みをしていることを挙げ、昨年わずかだが転入者が転出者を上回る社会増になったことを伝えた。
今後の人口減少対策としては、住まいや労働環境、子育て環境を整えることで「若年層や子育て世代の関心を高め、移住につなげたい」と語った。
生徒たちは聞いた話を踏まえ、今月下旬に町への提言発表も予定している。工藤榮紗さん(14)は「町の良さや課題を知ることができた。子どもに優しいまちづくりをしていると聞けてよかった」と感想を述べ、「住む人は少なくなっているが、外国人や道外から来た人が多くいることを伝えたい」と話していた。