白老東高校の生徒が、9月から町内全域で展開する芸術祭「ルーツ&アーツ白老―白老文化芸術共創2023」(白老文化観光推進実行委員会主催)の取り組みにボランティアとして参加した。まちを盛り上げるイベントに協力しようと1日、旧社台小学校近くにある海岸沿いの建物の壁に張られた巨大写真の保全作業に当たった。
巨大写真は「歩いて巡る屋外写真展」として、「ウイマム文化芸術プロジェクト」(実行委員会、文化庁主催)が21、22年に手掛けた。虎杖浜と社台地区で撮影された昭和時代の人々の営みや町の様子の写真を引き伸ばし、建物の壁に約20点を張り付けた。今年も白老文化芸術共創の一環として開催する予定。
保全活動は、同芸術祭の関係者ら約10人が6月28日から始め、白老東高の1年生6人は最終日の7月1日に参加した。風雪で劣化した部分に紙を張り合わせ、のりなどを使ってコーティングを施した。手分けして行う作業は声を掛け合い、休憩を挟みながらも日暮れまでに終えた。
同校教諭の呼び掛けに応じ参加した笹川修汰さん(15)は「友達と一緒の作業で面白かった。これから観光スポットになると知り、そういう場所を自分たちでつくれたことを誇りに思う」と充実感をにじませた。
町萩野の専門学生、堀部乃愛さん(20)は「白老で暮らしながら、白老に大きな芸術祭があることを今まで知らなかった。これからもいろいろな準備があると思うので参加したい」と話した。
同芸術祭とプロジェクトの双方に関わるディレクターの木野哲也さん(45)は「たくさんのまちの人たちと一緒に取り組むことで、地域が持つ魅力や面白さを輝かせ、共有していきたい」と語った。