乳酸菌減少がうつ病悪化に関連

  • ニュース, 医療のお話
  • 2023年6月29日

  腸内乳酸菌の減少がうつ病患者の症状の重症度と関連があることが分かったと、昭和大などの研究グループが発表した。

   腸と脳は互いに密接に関係しているため、ストレスで腸内細菌のバランスが乱れると、うつ病などの精神疾患につながることが知られているが、その具体的な仕組みは解明されていない。

   研究グループは、うつ病患者と健康な人の便から採取した腸内細菌を比較。その結果、乳酸菌の減少と、うつ病患者のうつや不安症状の重症度が相関していることが示され、ストレスをかけたマウスの実験でも、同様の結果が得られた。

   また、ストレスの影響で、腸管の免疫システムに重要なTリンパ球の細胞が炎症を促す物質に分化し、これが脳髄膜に移行することで、うつ症状を引き起こすことも分かった。

   研究グループは「既存のうつ病治療薬は脳内の神経伝達物質を調整するものがほとんどだが、腸管の免疫システムを標的にした薬剤の開発につながる発見だ」とコメントしている。

  (メディカルトリビューン=時事)

紙面ビューアー

過去30日間の紙面が閲覧可能です。

アクセスランキング

一覧を見る

お知らせ

受付

リンク