「便秘にお悩みの方へ」 大腸がんのサイン見逃さずに 苫小牧市医師会 三好由里子医師

  • ニュース, 医療のお話
  • 2023年6月27日
三好由里子医師

 

 毎日便が出なければ便秘でしょうか? 便秘の症状には単に頻度の問題だけでなく、硬さや残便感などさまざまな症状があります。

 慢性便秘症のガイドラインでは便秘を、「本来体外に排出すべき糞便(ふんべん)を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。理想的な便の状態は、滑らかで軟らかいソーセージ状です。そのような便であれば、2日に1回しか出ていなくても便秘とは言いません。

 一方、最近便秘を自覚するようになり、「便が細くなった」「赤黒い血が混じっている」などの場合は、大腸がんのサインかもしれません。2年以内に大腸内視鏡検査を受けていない場合は、速やかに消化器内科を受診してください。

 大腸がんは通常、大腸ポリープというイボのようなできものが何年もかけてゆっくり大きくなった結果です。つまり、定期的に大腸内視鏡検査を受けていれば確実に防げるがんです。過去に一度でもポリープを切除したことがある方は、症状がなくても2、3年に一度は検査を受けましょう。

 また、親、兄弟姉妹や祖父母など近親者に大腸がんやポリープの人がいる場合も、40歳を過ぎたら一度検査を受けてみた方がよいでしょう。

 便秘の基本的な対処法としては、(1)食物繊維を取る(2)ヨーグルトを毎日食べる(3)水分を十分に飲む(4)適度な運動―が大切です。この他に(5)お腹のマッサージ(右下から大きく「の」の字を書くように)(6)起床時まずコップ1杯の水を飲む―なども有効です。

 市販薬で対応する場合、まず整腸剤の内服は安全で有効です。それでも改善しない場合は下剤の使用を考慮しますが、下剤には大きく分けて、便を軟らかくする「緩下剤」と腸を刺激する「刺激性下剤」があり、代表的な「緩下剤」である酸化マグネシウムは安価で比較的安全です。ただし、腎臓の悪い方は飲み過ぎに注意が必要です。

 また、センナなどを含む「刺激性下剤」は効果を実感しやすい半面、毎日飲んでしまうと、刺激がなければ腸が動かなくなってしまうため、将来的に便秘を悪化させてしまうリスクのあるもろ刃の剣です。普段便秘でない人が週1回程度たまに使うのであれば問題ありませんが、毎日飲まないと便が出ない方には不向きです。

 かん腸も同様です。病院で処方される下剤は近年選択肢が増えており、刺激性下剤やかん腸に頼らずとも、新しい薬や漢方など安全で効果の高いものが幾つもありますので、便秘でお困りの方は消化器内科や胃腸科で相談してみましょう。

こんな記事も読まれています

    •          苫小牧民報創刊75周年記念講演             豊丘村制施行70周年記念講演 入場無料 三國清三シェフ 「70歳からの挑戦」   講師 三國 清三 氏 日時 6月7日(土) 令和7年 開演15時

    • 2025年7月22日
  • テストフリー広告

       苫小牧民報社創刊75周年記念講演会 入場無料  【講師】アルピニスト 野口 健氏  【演題】富士山から日本を変える  ~山から学んだ環境問題~  日時・会場・申込・問合せブロック  2025年(令和7年)8月9日(土)

    • 2025年7月18日PR
    テストフリー広告
  • テストフリー広告

       <!DOCTYPE html>  <html lang=”ja”>  <head>  <meta charset=”UTF-8″

    • 2025年7月18日PR
  • TEST
    • 2025年7月15日
  • TEST
    • 2025年6月26日
ニュースカレンダー

紙面ビューアー