東京都目黒区の自宅で母親（75）の自殺を手助けした疑いが強まり、警視庁捜査1課は27日、自殺ほう助容疑で、歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者（47）を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

　父親の歌舞伎俳優市川段四郎さん（76）も死亡しており、同課は猿之助容疑者ら3人が睡眠薬を飲むなどし、一家心中を図ったとみて調べる。

　捜査関係者によると、猿之助容疑者は5月17～18日ごろ、目黒区の自宅で睡眠薬を準備するなどし、母親が自殺するのを手助けした疑いが持たれている。司法解剖の結果、母親の死因は向精神薬中毒だったとみられる。

　猿之助容疑者は事件直後、警察官に対し、「死んで生まれ変わろうと話し合い、睡眠薬を皆で飲んだ」「両親の顔にビニール袋をかぶせた」という趣旨の説明をした。自宅からは猿之助容疑者の手書きの遺書や遺産相続に関する遺言も見つかった。

　室内からは睡眠薬の入れ物やポリ袋は発見されておらず、同容疑者がゴミとして捨てたとみられる。

　事件は5月18日午前10時20分ごろ、猿之助容疑者を迎えに行ったマネジャーからの119番で発覚した。両親は自宅2階のリビングの床にあおむけに横たわって布団が掛けられており、その後、死亡が確認された。

　猿之助容疑者は半地下のクローゼット内で座っているのが発見された。意識がもうろうとした状態で、病院に搬送されたが命に別条はなく、捜査1課が複数回、任意で事情を聴いていた。