仙台藩白老元陣屋資料館(白老町陣屋町)ボランティア友の会の会員で同館の展示史料解説をしている白老東高校の2、3年生4人が22、23両日、同校の1年生53人に同館で史料解説を行った。ガイド役を一人前に務める先輩の姿に、後輩たちは尊敬のまなざしを向け、大きな刺激を受けていた。
22日、後輩にガイドをしたのは、3年生の加藤雫さん(17)と千葉瑞椛さん(17)。6月初頭、愛知県から修学旅行で同館を訪れた高校生の団体に解説をした経験を持つ。
1年生は「総合的な探究の時間」の授業の一環で来館し、館外の史跡と館内の史料を見学。このうち史料の解説を先輩から受けた。案内に従って展示室を巡り、北海道の地図や陣屋跡のジオラマ、大砲などの史料を間近で見ながら、江戸幕末期の仙台藩による北方警備の歴史を学んだ。
聞き取った解説内容などは見学後にまとめて発表し、1年生の鵜飼楽久(らく)さん(15)は「(解説が分かりやすく)自分でも驚くほど、先人の生き方をよく理解できた。大勢の前で地元の歴史を紹介できる先輩を尊敬する」と話した。千葉さんは「(ボードの)資料を見ずに話せたので、相手の表情を見ながら解説できた。(地元の歴史を)少しでも面白く感じてもらえたらうれしい」と笑みを浮かべた。
3年生のガイド活動は、進学や就職活動により10月ごろに一区切りつけるが、加藤さんは「進路が決まったら、また資料館に通ってガイドの勉強を続けたい。貴重な経験をさせてもらっており、卒業までやり切りたい」と意気込んでいる。
同館ボランティア友の会会長で高校生ガイドを指導した川西政幸さん(79)は「堂々としたガイドに、素晴らしい成長を感じた」と静かに語った。武永真館長も「ガイド役の後輩も生まれており、頼もしい存在。高校生ガイドの存在が資料館の魅力の一つになれば」と話した。