睡眠不足で腸内細菌のバランスが乱れる仕組みを初めて解明したと、北海道大の研究グループが発表した。
睡眠不足は心筋梗塞や脳卒中、がん、糖尿病、うつ病、認知症など多くの病気のリスクを高める。最近では、腸内細菌のバランスの乱れにもつながると報告されているが、その詳細な仕組みは分かっていない。
研究グループは、後志管内寿都町の住民で、消化器病がない健康な41~60歳の中高年35人から提供された睡眠記録と便検体を用いて、睡眠不足が腸内細菌バランスに及ぼす影響を検討した。
解析の結果、睡眠時間が短い人ほど、腸管の自然免疫作用を担うαディフェンシンの分泌量が少なかった。また、腸内細菌の組成の崩れが見られ、免疫機能に重要な短鎖脂肪酸の量も低下しており、睡眠不足がαディフェンシンの低下と腸内細菌の乱れに関与することが分かった。
(メディカルトリビューン=時事)