平衡感覚良い高齢者は 海馬容積大

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  • 2023年6月20日

  健康な高齢者は、平衡感覚に関連するバランス機能が良いほど記憶に関わる脳の海馬全体の容積が大きかったと、筑波大の研究グループが発表した。

   アルツハイマー型認知症患者は、海馬の萎縮に加え、バランス障害を起こしやすい。海馬の容積は加齢などで減少することが分かっている一方、有酸素運動やダンストレーニングで増えるという研究報告もある。しかし、海馬のどの部分がバランス機能に関与しているかは明らかでない。

   研究グループは、健康で認知機能に問題がない高齢者30人(男性14人=平均年齢75・4歳、女性16人=平均年齢73・8歳)を対象に頭部MRI(磁気共鳴画像)検査とバランス検査を実施し、両者の関連を検討した。

   その結果、「前庭系」と呼ばれる体の動きに伴うバランス機能が良い人ほど海馬全体の容積が大きいことが分かった。研究グループは「バランス障害の治療が海馬に及ぼす影響を追跡したい」とコメントしている。

  (メディカルトリビューン=時事)

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