非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対する治療用アプリを開発し、有効性が確認されたと、東京大の研究グループが発表した。
お酒を飲まない人でも肥満などが原因で発症するNASH。肝硬変や肝がんに至る可能性があるが、治療法は確立されていない。一方、スマホなどのアプリを介し医師の管理下で病気に対する患者の認知や行動の改善を図るデジタル療法が注目されており、国内では2020年にニコチン依存症に対する治療用アプリが初めて保険適用されている。
研究グループは、医療ソフトウエア企業のCureAppと共同でNASH用の治療アプリを開発。患者19人に48週間使用してもらい、有効性を検討した。
その結果、体重減少はNASH診療ガイドラインの推奨目標である7%に対し平均8・3%が達成され、肝組織の脂肪化や炎症などを評価するスコアも統計上、有意な改善が示された。研究グループは、薬事承認に向けた治験の実施を検討している。
(メディカルトリビューン=時事)