1日8000歩、週1回でも 死亡リスクが減少

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  • 2023年6月15日
8000歩以上歩けば、死亡リスクが下がる

  

   歩くことは健康に良いが、多忙だったり面倒だったりで、あまり歩けていない人も多いだろう。そんな人は週1~2日、8000歩以上歩くだけでも死亡リスクを減らせる可能性があるとの報告を、京都大などの研究グループがまとめた。

   死亡リスクを下げるには、1日8000歩以上歩くとよいと考えられている。国際的な医学誌で2022年、複数の研究報告を分析した結果、60歳未満の成人は1日8000歩以上、60歳以上は6000歩以上歩くと死亡リスクが下がるとの論文が発表されたからだ。

   では、何日歩く必要があるのか。研究グループは、米国人の生活習慣や健康状態を調べた国民健康栄養調査のデータのうち、20歳以上の男女3101人分について分析し、国際的な医学誌「ジャマ・ネットワーク・オープン」に論文を発表した。歩数を機器で計測した結果と死亡率との関係について、年齢や人種による影響を統計上取り除いた上で検証した。

   その結果、8000歩以上歩く日が週0日の人に比べ、週1~2日の人は10年後の死亡リスクが14.9%、週3日以上の人は16.5%それぞれ低かった。また、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患での10年後の死亡リスクは、週1~2日歩く人で8.1%、週3日以上の人は8.4%低かった。

   研究グループの井上浩輔・京都大特定准教授(社会疫学)は「今、歩いていない人は、週1、2日でよいので歩いてみましょう」と呼び掛けている。

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