あなたに「あの人どうしてるかな?」と思う相手はいるだろうか。
ゆのみを書くことが決まり、初回の内容は何にしようかと考えながら過ごしていたある日。「ゆのみ、楽しみにしてるね」と、1本の電話を頂いた。相手の方は以前、看護師の有償ボランティアで伺った女性だった。お会いしたのは1年前だが、わざわざ連絡をくれたのだ。電話越しに近況報告や雑談を交わし、ねぎらいの言葉を掛け合った。
電話を切った後、今の季節の日なたのような、心地よい暖かさに包まれた。私は、この電話をくれた女性のお手伝いをさせていただいた側であり、この電話で励ましていただいた側にもなった。誰かが自分のことを気に掛けてくれているのは、とても励みになると実感し、すぐに初回の原稿にはこの気持ちを書こうと決めた。
私が取り組んでいるコミュニティナースは「誰もが誰かの健康を応援する」というコンセプトの下、地域のつながりをつくっている。そのつながりのかたちは百人百様でいいというのがコミュニティナースの面白いところでもある。希薄化した地域のつながりを再構築するため、今の自分にできることは何か。試行錯誤しながらこの活動を続けている。
2人以上の人がいれば、そこにつながりはつくられる。あなたの電話1本が、例えそれが一言でも、誰かの力になるかもしれない。それがこれを読んでいただいた方に伝わり、受話器や携帯電話を手に取っていただけたならうれしい。
(コミュニティナース・苫小牧)