中枢神経系自己免疫疾患の一つ、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク(MOG)抗体関連疾患について、初の全国調査で患者数などの実態を明らかにしたと、東北医科薬科大などの研究グループが発表した。
MOG抗体関連疾患は、急性の視神経炎や脳炎などを起こす原因不明の疾患。目がぼやける、めまいがする、疲れやすいなど多様な症状が表れる。患者の血液などからMOG抗体が発見され、研究が進む一方、患者数などの全容は不明だった。研究グループは、神経内科専門医らが勤務する全国3790施設に、2020年度に診療した患者数をアンケートし、1381施設から回答を得た。
その結果、患者数は1695人(男性764人、女性931人)で、年齢調整をしていない粗有病率は人口10万人当たり1・34人と推計された。各症例に関する二次調査によると、53・5%の人が再発を経験。免疫療法は高い確率で有効だった。
研究グループは「指定難病への登録、治療法の開発につなげていく」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)