菓子パンやハンバーガー、ソーセージ、清涼飲料など、加工の度合いが高い「超加工食品」。1日に取るカロリーの3、4割を占め、特に若い人や喫煙者は多く食べていることが、東京大の研究で分かった。
超加工食品は、複数の食材や調味料などを配合し工業的に製造した、加工度合いが非常に高い食品。脂質や食塩を多く含み、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルは少ない傾向がある。
研究グループの村上健太郎・東京大助教(栄養疫学)は「食べ過ぎると、食事全体の質が低下する恐れがあります。肥満や死亡のリスクとの関連も報告されています」と注意を呼び掛ける。
チームは2016~18年、全国の18~79歳の男女2742人に、8日間にわたって食べたり飲んだりしたものをすべて記録してもらった。そしてそれぞれの加工度を「未加工・最小限の加工」から「超加工食品」まで4段階に分類した。
総菜や外食など工場や店舗で調理された食品について、すべて超加工食品だと見なす「超加工食品を多く見積もった場合」で、1日の総摂取カロリーに占める割合は42・4%だった。反対にすべて家庭同様の調理法で作られており、超加工食品でないと見なす「少なく見積もった場合」では、割合は27・9%だった。
年齢別に分析すると、超加工食品を多く見積もった場合、60~79歳では1日の総摂取カロリーの32・1%(少なく見積もった場合25・5%)だった。これに対し、40~59歳は45・0%(同28・9%)、18~39歳は49・2%(同29・0%)と、若いほど高かった。
また、喫煙したことがない人と過去に喫煙していたが禁煙した人は、40・9%と41・9%(同26・6%と28・8%)だった。これに対し、現在喫煙している人は48・7%(同31・1%)だった。
超加工食品を多く食べる人は、喫煙や運動不足など健康に悪影響を与える習慣を他にも持っている可能性がある。他の生活習慣の影響を統計上除いた場合でも、肥満などのリスクが高いことは海外で報告されてきた。
国による食生活の違いや、何を超加工食品と見なすかといった分類の難しさはあるものの、世界では超加工食品が健康に与える影響に関する研究が進んでいる。研究グループの篠崎奈々・東京大客員研究員(栄養疫学)は「国内の報告は非常に少ない。もっと研究が増え、健康面でのリスクが調べられる必要があります」と話している。