むかわ町は9日までに、穂別博物館と周辺一帯、穂別地区市街地のまちなか再生を図る「復興拠点施設等整備事業」に関する町民説明会を穂別、鵡川の両地区で開いた。
町が示した基本計画によると、軸となる博物館は、既存の博物館と新館を連動させるよう整備し、一帯を観光の拠点とする。町民の健康増進と広域来訪者の促進、滞留性の向上を目指し、周辺には既存の公衆浴場「ほべつの湯」を移転改築した温浴カフェと、車中泊やフリーサイトに対応したキャンプ場を配置する。
市街地は、穂別地区のサテライトオフィスと役場本庁舎の横に設置するモバイルハウスを活用した交流施設を設置。農産物を販売する多目的スペースを中心に子どもが遊べるコーナー、コミュニティーや待合所も設け、潜在する地域課題を解決する場所にする。
町は今後、順次工事を進めて2026年春までに全ての施設をオープンさせる予定で、年間約3万5000人の来場を目指す。温浴施設は24年度中に先行して運用を開始する計画。総事業費は現段階で約15億円を見込んでいるが、近年の資機材高騰の影響などが懸念されるため、合併特例債などの財源を有効活用していく考えだ。
7日に穂別町民センターで行われた説明会には約50人が参加。参加者からは「穂別の住民が培ってきたものを化石とともに展示し、文化的な価値も見いだして」「修正を加えながら、20~30年たっても建ててよかったと思えるものをつくってほしい」と要望が寄せられ、町の担当者は「地域の人にどう使ってもらうのかも考えていかなければいけない」と理解を求めた。
竹中喜之町長は「人口減少などに歯止めをかけていかなければいけない。皆さんの思いを受けて整備ビジョンをつくっていきたい」と話した。