白老町緑町の陶芸家前田育子さん(55)は5日、大漁旗を再利用して製作したエコバッグやシャツなどの売上金の一部5369円を「植樹や水産振興に役立ててほしい」と町に寄付した。
新造船の祝い品とされる大漁旗は廃船と同時に処分されることが多い。カラフルで躍動的な大漁旗のデザインに魅せられた前田さんは、各地の漁業関係者から使わなくなった大漁旗を譲り受け、バッグや帽子などの小物や衣類に作り替えて商品化。白老観光協会のインターネット通販サイトや駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)などで販売している。
売上金の一部は、各地の自治体や漁業協同組合などに寄付している。白老町には2012年から寄付を続けており、今年で11回目。累計額は8万2235円になった。今年は同町のほか海難遺児基金や森造りに取り組む苫小牧市や厚真町、むかわ町、えりも町などにも寄付する。
町役場を訪れた前田さんは「水産振興のためには(河川上流部の)森造りも大切」と話し、寄付だけでなく植樹活動にも取り組む考えを示した。大塩町長は「きちんと趣旨に合うように使わせていただく」と感謝した。