白老町民の30~80代の有志約70人でつくる「しらおい防災マスター会」が1日付で札幌管区気象台長表彰を受け、7日に吉村智会長と民部吉治事務局長が町役場を訪れ、大塩英男町長に受賞を報告した。自主防災組織が同表彰を受けたのは道内では初めて。同日は町内の森野地域気象観測所が1日付で気象庁長官表彰を受けたことも、室蘭地方気象台から町に伝達された。
同マスター会は、道が認定する「道地域防災マスター」の研修を受講した町民有志が2013年9月、同好会として設立。翌14年6月に「会」へ昇格させ、東日本大震災被災地の視察、会員間の自主勉強会、地図上で防災対策を検討する災害図上訓練(DIG)、カードを使って避難所運営の手法を学ぶ避難所運営ゲーム(HUG)、救命処置訓練、お茶の間防災出前講座などを展開してきた。今年9月で設立から丸10年を迎え、同会の活動に参加した人は延べ5803人に上る。
表彰式は、東京で気象と地震の観測を始めた1875年6月1日にちなんで定められた気象記念日(148回目)の1日、札幌管区気象台で行われた。長年にわたる防災授業や自主勉強会などを通して地域住民に気象・防災知識を普及啓発し、地域防災力向上に寄与したとして評価された。
吉村会長は受賞報告で「これからも地域のために役立ちたいという思いを強くした」と語り、「予測できる災害への備えには、気象情報や町の広報の活動が生活に直結している」と気象台や町の日頃の情報発信に感謝した。
この日、来庁していた室蘭地方気象台の新出祥文台長は「住民に寄り添った活動を展開しており、敬意を表する。今後も地域防災力向上のために尽くして」と激励。胆振総合振興局の松本正司副局長も祝辞を述べた。大塩町長は「町民の防災意識啓発を一手に担っていただいており、今後も協力し合い、まちの防災力を高めていきたい」と話した。
森野地域気象観測所は町森野のホロケナシ駐車公園向かいにある。気象庁長官表彰は、地域気象観測所の委託観測業務に献身的に協力し、気象業務の発展に寄与した功績が認められたもので、新出台長が大塩町長に感謝状を手渡した。