他人のパソコンを遠隔操作し、インターネットバンキングで500万円を不正送金したとして、愛知県警は7日、電子計算機使用詐欺などの疑いで、ベトナム国籍の無職チャン・ビエット・アイン容疑者(29)=東京都新宿区上落合=を再逮捕した。「送金したのは私ではない」と容疑を否認している。
県警サイバー犯罪対策課によると、チャン容疑者は詐欺グループの指示役とされる。約12億円をだまし取り、他人名義などの約280口座を管理していたという。
逮捕容疑は昨年9月、仲間と共謀し、金融機関のサーバーに虚偽情報を送り、東京都の高齢男性の口座から500万円を不正に送金した疑い。
チャン容疑者らは、男性にパソコンがウイルス感染したと警告する虚偽のメールを送信。記載された番号に電話をした男性に修復作業と偽り、遠隔操作できるソフトをインストールさせた。
パソコンの画面を共有した上で、修復代金をネットバンキングで支払うよう指示。ログインIDとパスワードを入手し、不在時に遠隔操作してチャン容疑者らの口座に送金したという。
チャン容疑者は今年4月以降、他人名義の口座を譲り受けたなどとして2回逮捕されていた。