仙台藩白老元陣屋資料館(白老町陣屋町)の友の会のボランティア会員で白老東高校に通う生徒4人が2日、愛知県春日井市から来館した県立高蔵寺高校の修学旅行生40人に応対し、ガイド役として館内を案内して展示資料解説をした。愛知県から訪れた旅行生たちは、郷土の歴史を頭に入れ、伝えることのできる同年代に刺激を受けていた。
同日、同館の武永真館長や友の会のほかの解説員は、地域人材育成・活用事業の一環で陣屋跡視察研修調査(1~4日、道北)に出掛けており、4人は学芸員らと留守を預かった。
ガイドを務めたのは、2年の船越菜々子さん(16)、堀部京華さん(16)と3年の加藤雫さん(17)、千葉瑞椛さん(17)。2年生は今年5月に解説デビューしたばかりで団体客へのガイドは初めて。昨年8月にデビューした3年生にとっては同世代の団体への初めての対応となった。
旅行生は10人ほどのグループになり、史跡巡りと館内巡りをした。ガイド4人は館内の解説を担当。1グループに1人が付き、幕末の白老には北方警備のために仙台藩士が駐屯し、陣屋を築いたこと、幕末の動乱の影響で撤退を余儀なくされた歴史などを説明した。
ガイドを終えた加藤さんは「いつも通りの解説ができてよかった。今後は自分なりの解説を深めたい」とほっとした表情。千葉さんは「資料を見ずに話せた。面白いと思ってもらえる解説を心掛けたい」と語り、船越さんは「(デビューを控える)1年生にも興味を持ってもらえるよう今後も頑張りたい」と前を向く。堀部さんは「ガイドを終えた際、拍手がもらえてうれしかった」と笑顔を見せた。
高蔵寺高2年の深澤直太朗さん(16)は「知識量の多さに驚いた。同年代のガイドは親近感があり、解説も聞きやすく勉強になった」と話していた。
ガイドを務めた生徒たちは、この日までに友の会の川西政幸会長らから分かりやすい伝え方の指導を受けてきたほか、5月20日には会員らで道南の史跡を訪問し、ガイドのこつなどを勉強してきた。活動を見届けた白老東高の小川政博校長は「きょうの経験は、取引先へのプレゼンテーションや同僚とのコミュニケーションなど、社会に出てからもきっと生かされる」と目を細めていた。