白老町の観光入り込み客数調査(2022年4月~23年3月)によると、町内の22年度観光客数は前年度比約1・3倍(51万7862人増)の220万1935人で、大幅に増加した。200万人を超えたのは08年度以来14年ぶり。新型コロナウイルス感染症対策の行動制限が緩和され、民族共生象徴空間(ウポポイ)が受け入れを本格化させたことなどが大きく影響したとみられる。
観光客数のうち、宿泊客は11万1600人で前年度比約1・7倍、日帰り客は209万335人で同約1・3倍となった。調査を担当した町産業経済課は、コロナ禍で休止していた各地域の施設や店が通常営業にしたりイベントを復活させたりしたことや、アフターコロナに向けた誘客施策の実施、外国人観光客や団体・教育旅行への働き掛けが成果を上げたと分析している。
地区別に観光客数を見ると、虎杖浜温泉地区(竹浦・虎杖浜)が74万308人(前年度比1・2倍)、白老地区(社台~北吉原地区)が146万1627人(同1・4倍)。
虎杖浜温泉地区は(1)飲食店・土産物店の訪問客(2)日帰り客(3)自然景観目的の客(4)宿泊客―の順に多く、町内で宿泊すると割り引きされる助成政策「ウエルカムしらおいキャンペーン」が奏功したことなどが客数増につながったとみられる。
白老地区は(1)飲食店・土産物店訪問客(2)歴史・文化施設の訪問客(3)スポーツ・レクリエーションの客(4)宿泊客―の順に多く、ウポポイなどの通常営業や仙台藩白老元陣屋の北海道遺産選定(昨年10月)のほか、コロナ禍でもレジャーを楽しめる屋外施設としてブウベツの森キャンプ場やポロトの森キャンプ場が注目されたこと、ポロト湖畔の旅館の営業再開などが背景に考えられている。
町産業経済課の担当者は、今年度以降について「各施設でSNS(インターネット交流サイト)を活用した海外向け情報発信を強化しており、ウポポイを中心に外国人観光客数が回復、増加傾向にある」と分析。「(海外と)新千歳空港との直行便が再開されることで今後さらなる来客が見込まれる」と期待している。