現在、NPO法人ウテカンパで「誰もが自分を生きられる」社会にするために活動しています。そこに至ったのは、「アイヌ」のルーツを受け入れたことが始まりです。
白老町で開店したコミュニティカフェ「ミナパチセ」を拠点にアイヌ文化を発信し、いろいろな所からお声が掛かるようになりました。話を聞いてくださる方に合わせて資料を作成していく中で、これまで経験した「点」がつながり始め、アイヌ一つだけへの思いが複合的になっていきました。
いじめを経験し、自分に自信がなくなっていた10代。18歳で出合った「手話」が居場所をくれました。一見異なる二つの点には共通の要素があり、32年後にろう者の子どもたちにアイヌ文化を手話で伝えるという形でつながった時には不思議な縁を感じました。そして、DV(配偶者などからの暴力)、母子家庭生活、胃がんなどの要素もつながって、「誰もが自分を生き、笑顔でいられる居場所創り」をしていこうという答えが出たのでした。今、これを軸に据え活動しています。
理由はとてもシンプルで「ただ、みんなと笑っていたいから」。実現のために何ができるかを考えて実行に移す。その繰り返しによって目的が達成されると実感しています。
自分を受け入れ、大切にする。自分を心から愛し、認める。それによってあふれ出る思いが周りに広がっていく。白老町社台でポトリと落ちた小さな滴の波紋は、共感する仲間の波紋とつながり、皆で笑いながら少しずつ輪を大きくしています。
(NPO法人ウテカンパ理事・白老)