森づくりを通して森林への理解を深めるとともに、2018年9月に発生した胆振東部地震からの復興を祈念する北海道植樹祭が28日、厚真町幌内地区の町有地で開かれた。被災した胆振東部の厚真、安平、むかわの3町の関係者に、道内各地からの来賓、一般を合わせた756人が参加。震災で大きな被害を受けた森林の再生を願って1000本の苗木を植えた。
同植樹祭は、道民に森林の大切さなどを広く普及啓発しようと、道が1950(昭和25)年から継続する事業。今年は被災地の森林再生を後押しすることを目的に厚真町で開催された。
植樹に先立ち、鈴木直道知事は「多くの掛け替えのない命が失われ、緑豊かな自然を奪った胆振東部地震から5年を迎えるが、被災地の皆さんが将来にわたって暮らしていけるよう、地域に寄り添って取り組みを進めていく。森林再生と地域復興の願いを込めて植樹させてもらう」とあいさつ。厚真町の宮坂尚市朗町長は「森の再生を皆さんの手と手で共に成し遂げていくことが、被災地の復興の第一歩につながると思っている。一本一本、心を込めて植樹していただきたい」と歓迎の言葉を述べた。
厚真、安平、むかわ3町の代表児童5人による緑の宣言の後、植樹を開始。参加者はスコップを手に、広大な敷地にシラカバやカラマツ、エゾヤマザクラなどの苗木を植えた。厚真中央小学校2年の三上杏さん(7)は「うまく木を植えることができた。ぐんぐん成長してほしい」と期待を込めた。
5年前の地震では、3町合わせて森林の約4300ヘクタールが被災した。一方で全体の復旧は1割にも満たない状況となっている。