思わず膝を打った。本紙掲載の話題だから、同様に感じてくれた読者もいるに違いない。23日付「暮らし」面の「温泉で高齢者のうつ予防?」の記事。週1で通う温泉好きとしては見逃せない。
記事は九州大学病院の別府病院が行ったアンケート調査を基にしている。毎日の温泉利用とうつ病の病歴が少ないことの間に関連があるという。別府と言えば「地獄巡り」と返ってくるほど温泉が有名。そこでの1万人のデータを解析した考察となれば一定の根拠になる。温泉成分、温熱両面の効果の考察も紹介していた。高齢者に限らず、ストレスに睡眠の質の低下が重なって体調を崩し、一時的にでも気分障害に陥ることは誰しも経験があるだろう。効果的な入浴習慣で病に至るのを予防できるなら再認識したい。
記事は、時事通信社の医療・健康に特化した「メディカルトリビューン」の配信だ。「温泉浴とうつ病予防」の組み合わせは、入浴と気分のリフレッシュに言い換えるなら目新しくはないが、大学病院の調査が伴った点でそそられる。
苫小牧はそれこそ「地獄谷」の登別に近い。白老に虎杖浜があり、市内にも温泉施設がある。恵まれた環境を生かし、温泉欲を効果的に楽しみながら地域全体の健康寿命を延ばしたいものだ。(司)