帯広市の帯広聾(ろう)学校(大塚雅彦校長)に通う中学生2、3年の男子生徒2人が25日、修学旅行で白老町社台のカフェ「ミナパチセ」を訪れた。手話通訳者でアイヌ民族にルーツを持つ田村直美さん(51)がイナキビご飯やチェプオハウ(サケが入った温かい汁物)など手作りの料理を振る舞い、クイズ形式のアイヌ文化講話や刺しゅう体験を通して交流した。
一行は引率の教員3人と計5人で23日に出発し、26日までに帰路に就くという。同校が来訪を強く希望していたミナパチセのほか、民族共生象徴空間(ウポポイ)も訪れ、歌や踊りのステージなどを楽しんだ。
白老町では、町独自の手話言語条例制定に向けた議論が進められている。条例案は、手話が日本語やアイヌ語などと同様の「言語」であるとして、耳の聞こえにかかわらず共生できる地域社会の実現を目的としている。ミナパチセでは9月にも札幌聾学校の生徒の受け入れが決まっている。
田村さんは「地元ゆかりの文化などを学びに今後もたくさんの人たちが白老を訪れる。誰一人取り残さないまちにするための条例であってほしい」と期待している。