幼少のころ、公園の砂場の横にコンクリートの壁があり、子どもたちが登って遊んでいた。高さが1・5メートルほどの所から度胸試しで砂場に飛び降りると、ためらった子が段差に尻を引っ掛け、泣きながらしばらく痛さで立てなかった。笑って見ていたが、今考えると大けがになってもおかしくない。
公園や保育園にある遊具で子どもたちがけがをする事故がニュースになる。大阪では滑車のついたロープにつかまって遊ぶターザンロープで7歳の女の子が指を切断する事故があった。滑車カバーの数センチの隙間に指が入ってしまった。埼玉の保育園では遊具のロープが首に絡まり、3歳児が意識不明になった。
公園や学校から消えた遊具はたくさんある。思い起こすと、ふざけて箱型ブランコと地面の間に挟まって痛い思いをしたし、回旋塔から飛ばされて頭を鉄柱にぶつけて一瞬意識が飛んだこともある。軽い事故は日常茶飯事。母の指導は「できないなら遊ぶな」「けがをするなら遊ぶな」だった。
事故があると遊具が消える。見るからに危険でも事故が起きずに残っている物もある。子どもたちの遊びの魅力はスリルと危険が隣合わせ。悪いのは遊具か管理か環境か―をじっくり考える。(高)