スダチの果皮に含まれるポリフェノールの一種「スダチチン」に、肝臓の脂肪蓄積を抑える効果があることをマウス実験で確認したと、徳島大や米テキサス大などの共同研究グループが発表した。
ヒトに備わっている体内時計は、睡眠、血圧、体温、代謝などの生体リズムを調整しており、不規則な生活などでリズムが崩れると、病気や老化促進につながる。テキサス大の研究で、シークワーサーなどのかんきつ類の果皮に含まれるポリフェノールの一種が生体リズムを調整することが報告されている。そこで研究グループはスダチチンにも同様の機能がないか、マウス由来の培養細胞などを使って調べた。
その結果、食事で肥満化させたマウスにスダチチンを22週間投与すると肝臓の時計遺伝子の発現が変動し、肝臓の中性脂肪蓄積が抑えられること、肝臓の硬化や炎症が低減することが分かった。
研究グループは「脂肪代謝の改善に加えて、がんや感染症などの予防、改善への効果も検証したい」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)