特定の遺伝子に病的変異がある人では、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染すると胃がんリスクが高まることが分かったと、理化学研究所(埼玉県和光市)などの研究グループが発表した。
胃がんリスクには、ピロリ菌感染などの環境要因と遺伝子変異などの遺伝要因があるが、両者の関係は明らかでない。そこで研究グループは、日本の胃がん患者グループ1万1859人と非がんグループ4万4150人の遺伝子を解析し、遺伝子の病的変異と胃がんリスクとの関連を検討した。
遺伝性腫瘍に関連する遺伝子27個を解析した結果、うち9個の病的変異が胃がんリスクに関連することが分かった。これら病的変異の有無と、ピロリ菌の感染情報を組み合わせ、ピロリ菌陽性の人が85歳までに胃がんに感染するリスクを算出したところ、病的変異を持たない人が14・4%だったのに対し、持つ人は45・5%と大幅に高くなった。
(メディカルトリビューン=時事)