【ロサンゼルス時事】「愛の魔力」(1984年)などのヒット曲で知られ、「ロックンロールの女王」とも称される米歌手ティナ・ターナーさんが24日、死去した。83歳だった。米メディアによると、スイスの自宅で長い闘病生活の末に亡くなった。
ターナーさんのフェイスブックに24日、訃報が掲載された。「音楽、最高の作品を残してくれた友に別れを告げる」と追悼文が添えられた。
テネシー州出身。元夫の故アイク・ターナー氏と組んだバンドで60年にデビュー。早々にグラミー賞候補入りするなど、人気を博した。その後は元夫の家庭内暴力から逃れる形でバンドを解散、離婚。ソロ活動を本格化させると、84年のアルバム「プライヴェート・ダンサー」が世界的に大ヒットした。
映画「マッドマックス サンダードーム」(85年)に出演し女優としての一面も見せた。自らの回顧録で家庭内暴力を生き抜いた経験をつづり、大きな社会問題としてこの問題を世間に投げ掛けたことでも知られる。91年にはバンドとして、2021年にはターナーさん単独で「ロックの殿堂」に輝いた。
13年に脳卒中を患った。その後も腸がんが見つかった他、腎不全の可能性があるとして腎移植も受けていた。ジャンピエール米大統領報道官は24日、声明を出し「信じられないほど悲しい知らせだ。音楽界の象徴的な存在だった」と追悼した。