むかわ町は、穂別博物館をはじめ、穂別地区全体のまちなか再生を図る「復興拠点施設等整備事業」の基本計画をまとめた。軸となる博物館については新館を建て、既存の博物館と併用することで展示物や体験コーナーなどを充実させる構想。博物館の近くには町民や観光客が集う温浴カフェを置くほか、市街地に農産物直売所や地域の交流スペースも設け、まちなかの交流拠点とする考えだ。
穂別地区の再整備は博物館機能だけでなく、町民のコミュニティーや利便性の向上も視野に入れ、潜在する地域課題を解決する拠点として位置付ける。町は22日までに数回開かれた町議会全員協議会で説明し、質疑に応じた。
基本計画によると、新館はすでに閉館している旧穂別地球体験館を解体した跡地に建設。同地区で発掘された恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)の全身骨格(レプリカ)が収容できるほか、展示内容を充実させられるスペースを確保する。
築40年以上が経過する既存の博物館も維持し、周辺には既存の公衆浴場「ほべつの湯」を移転改築してカフェを配置し、広域来訪者の促進と対流性の向上を図る。
まちなかの交流施設は、サテライトオフィスなどとして使っているモバイルハウスの活用を検討。農産物を販売する多目的スペースを中心に子どもが遊べるコーナー、コミュニティーや待合所も設け、地域のにぎわいや憩いの場の創出をイメージしている。
町によると、6月中旬に町民説明会を開催し、町民の意見を取り入れた上で実施設計を行い、順次工事を進めて26年春までに開業させる計画。総事業費は現段階で約15億円を見込んでいる。町は「博物館を中心にした拠点とまちなか交流施設の整備を同時にすることで相乗効果を狙う」としている。