知床半島沖で昨年4月、26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、運輸安全委員会の武田展雄委員長は日の定例記者会見で、事故原因などをまとめた最終報告書の公表前に、船舶事故としては初となる意見聴取会の開催を検討していると明らかにした。
同委によると、意見聴取会は公開で実施し、調査内容に対する公述人を公募する方針。開催時期などは今後調整するという。
運輸安全委員会設置法は、一般的に関心が高い航空、鉄道、船舶事故で、調査終了前に関係者や学識経験者からの意見聴取会を開かなければならないと規定。過去には同委の前身である調査機関が、日航機墜落事故やJR福知山線脱線事故など計8件で開催した。
武田委員長は、事故の調査について「最終確認中」とした上で、「意見聴取会で広く意見を聞くことが必要だと考えている」と述べた。
知床の事故を巡り、同委は昨年12月、船前方のハッチと窓から浸水し沈没した可能性が高いとする調査経過報告書を公表した。