安平町追分向陽の公共牧場「旭陽牧場」で、今季の放牧がスタートした。とまこまい広域農業協同組合が指定管理者として管理業務を請け負い、管轄する厚真、安平両町と苫小牧市から今年度は乳牛、黒毛和牛約140頭を預かる計画だ。
同牧場は、町が町有地や買い上げた農地を3年かけて整備し、2011年度に開設。面積は約120ヘクタールあり、この時期から秋にかけての繁忙期に、生後7カ月以上で搾乳前の乳牛、肉牛などを預かる。給餌や受精卵移植、人工授精を行うことで生産者の労働負担を軽減している。
今年度の入牧は21日にスタート。22日までに管内各牧場から乳牛80頭、黒毛和牛40頭を受け入れた。トラックから降ろされた牛たちは生い茂った草を食べたり、草原を元気いっぱい走り回ったりしていた。
入牧は随時、続く予定で、下牧は10月下旬の見通し。この間、月1回の衛生検査を行いながら管理し、60頭ほどを人工授精させ、受胎率85%を目標に設定する。担当者は「酪農を取り巻く情勢は厳しいが、例年通り預かって健康な状態で生産者に返したい」と話していた。