この春も、苫小牧信金には新入職員が入庫し、それぞれの配属先で仕事の第一歩をスタートさせている。
ただ、最近のなりたい職業ランキングでは、ユーチューバーや歌手、俳優、声優の人気が高いと聞く。果たして新入職員の皆さんは希望する職業に就けたのだろうか。
私の場合は憧れの職業もなく親元から自立せねばと、就職担当の先生に勧められるまま金融業界に飛び込み、当時の自己PRコメントでは、「立派な金融マンを目指す」と調子のよいことを言っていた。
でも、若い頃は「早く仕事を覚えて上司、先輩に認められたい」とか、役職になれば「上司、部下から信頼されたい」という気持ちだけは、人一倍強かったように思う。
現在は苫小牧信金で第二の人生を送っているが、前職を振り返って思い出されるのは、やり遂げた仕事や単身赴任先での観光などではなく、やはり退職日にもらった部下からの1本のメールに尽きる。
「最後に何をお伝えすればよいのか。ただ、誰かのために一生懸命仕事をしようと思ったのは、吉田次長が初めてでした。こんな私たちをいつも気遣っていただき感謝しています」
信頼とは「信じて頼る」と書き、真に信頼を得るのは容易ではないが、退職日のこのメールは、すべてが認められたような気がして胸が熱くなった。これからも、この気持ちを大事にしていきたいと思う。
最後になりますが、1年間、私の「ゆのみ」をお読みいただき、大変ありがとうございました。
(苫小牧信用金庫常勤理事)