米国カリフォルニアのペパーダイン大学グラツィアディオ・ビジネススクールに通う社会人学生が19日、安平町の小中一貫の義務教育学校「早来学園」(山田誠一校長)を訪れ、中学年代の生徒たちと文化交流体験を行った。世代の垣根を越えた英語の授業や給食の時間を通して、異文化への理解を深め合った。
組織開発の修士号課程で来町した6人の学生が8年生(中学2年生)の授業に参加。自己紹介を含め、お互いが住むまちのことや地域の魅力、それぞれの好きな食べ物などを英語でやり取りした。太田翼さん(13)は「道の駅や菜の花のことなど観光について紹介したが、伝わっていたので楽しくできた」と満足そうな様子。「もうちょっと英語力を上げて、社会に出た時に役立てられるように頑張ろうと思う」と気持ちを新たにした。
授業後は、生徒とクリームシチューやミルクパンなど給食を囲んで楽しいひとときを過ごした。ミリアム・チャンバースさん(32)は「(早来学園には)日本の良いところが詰まっている。世界と比べてもイノベーションに富んだ学校だし、建物や雰囲気も開かれていて、子どもたちもいろんなことに興味を持って楽しそうだ。自分の子どもにもこういう学校に通わせたい」と笑顔を見せた。
一行は、17日から町内に滞在。早来学園の図書室(通称まなびお図書室)を拠点に、学校関係者への聞き取りに加え、町や子ども園の職員、町外者などを交えてのワークショップを通して、学校や一般に開放する施設がまち全体に与える影響を探った。19日には効果的な活用法などをまとめた意見を町に提言したほか、新しい学校が持つ魅力を「他地域や海外に向けても発信するべき」といった声も寄せた。