バイデン米大統領は日、ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍の操縦士への米国製戦闘機F16を含む第4世代戦闘機の訓練を支援すると、先進7カ国(G7)首脳に伝えた。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が20日、広島市内で行った記者会見で明らかにした。これまで否定的だった米国の大きな方針転換で、戦況にも影響しそうだ。
サリバン氏は「長期的なウクライナの自衛力支援の一環だ」と説明した。英国やオランダなど欧州の一部の国は、ウクライナの戦闘機調達や訓練を支える「戦闘機連合」の構築を目指している。F16は米国の機密技術を含むため、訓練開始には米国の承認が必要とされていたが、米国はロシアを刺激しないよう、慎重な姿勢を維持してきた。
サリバン氏は支援提供に踏み切る理由について、「ウクライナが将来の戦力として何を必要としているか、先を見据える時期に来た」と説明。「今すぐ戦場でF16戦闘機が必要とは考えていない」と述べた。訓練は今後数カ月で実施する。
ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターに「米国の歴史的な決断を歓迎する。空軍が大幅に強化される」と投稿した。バイデン氏は広島でゼレンスキー氏と会談し、支援の方針を伝えるとみられる。
スナク英首相もツイッターで「米国の決定を歓迎する。英国は米国、オランダ、ベルギー、デンマークと共にウクライナが必要とする能力を得られるよう協力する」と述べた。