7年ぶりの日本開催となる先進7カ国首脳会議(G7サミット)が19日午前、広島市で3日間の日程で開幕した。議長を務める岸田文雄首相は、ウクライナ侵攻を続けるロシアや、威圧的な動きを強める中国に対抗するため、国際社会の連帯を目指す。被爆地から核軍縮に向けたメッセージを世界に発信したい考えだ。
首相は19日午前、平和記念公園でバイデン米大統領ら各首脳を出迎えた。同日午後は、会場のグランドプリンスホテル広島に移り、ワーキングランチで人工知能(AI)を含むデジタルや世界経済について議論。首相は生成AIに関し、国際的なルール作りなどを議論する枠組み「広島AIプロセス」創設で合意したい考えだ。
続く討議で、各首脳はウクライナ支援と対ロシア制裁の継続を確認する。これに関し、米政府高官は「全てのG7メンバー国が新たな制裁を準備している」と述べた。
ワーキングディナーでは、中国の海洋進出を踏まえたインド太平洋情勢について協議。「法の支配に基づく国際秩序の堅持・強化」の重要性で一致する見通しだ。
翌20日は、午後からインド、ブラジル、インドネシアなど、G7と中ロの双方から距離を置く新興・途上国「グローバルサウス」を含む8カ国の招待国首脳も参加。食料、保健、エネルギー分野などで協力を深める。
最終日の21日は、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで参加。3日間の成果を首脳声明にまとめて閉幕する。首相はまた、サミットに招待した韓国の尹錫悦大統領と、7日に続いて会談する。