かつて白老に滞在したことがあるポーランドのアイヌ文化研究者、ブロニスワフ・ピウスツキ(1866~1918年)の功績を顕彰する行事が17日、民族共生象徴空間(ウポポイ)内の胸像前で行われた。同日はピウスツキの命日に当たるほか、旧アイヌ民族博物館に胸像が建立されてから10年、白老滞在の年から120年の節目となり、関係者約30人が参列し、ウポポイ来場者ら約150人が見守った。
ピウスツキは文化人類学者として北方先住民の言語や文化を研究し、1902年から06年にかけて来日。03年8月2日には函館で白老村のシパンラム・ノムラ(野村芝蘭)と出会い、帰郷を助けた縁で野村宅に約1カ月滞在。白老とその周辺の風物やアイヌの暮らしをつぶさに記録した。ポーランド政府が制作した胸像はウポポイ建設に伴い、20年5月までに同施設内に設置された。
来賓で北海道ポーランド文化協会の安藤厚会長は「ピウスツキ氏の記憶を新たにする行事が今後も続くことを願っている」とあいさつ。国立アイヌ民族博物館の佐々木史郎館長も祝辞を述べた。その後、職員や来場者らが輪踊りなどで節目を祝い、関係者らの記念撮影が行われた。